2019年4月15日の火災から約5年、ノートルダム大聖堂の再開式典が2024年12月7日に行われ、12月8日から一般公開が始まりました。
世界中に衝撃を与えた火災によって損傷を受けたこの歴史的建造物は、数百人に及ぶ職人や建築家たちの努力によって復興を遂げ、再びパリの象徴として立ち上がりました。
この記事では、修復作業、見どころ、そして予約・訪問方法について詳しく解説します。
ノートルダム大聖堂の火災と復興の歩み
ノートルダム大聖堂は、2019年4月15日に発生した大規模な火災によって深刻な損傷を受けました。
特に、尖塔や屋根、そしてゴシック建築の象徴である木造のフレーム部分が崩壊し、修復の長い道のりを歩むこととなりました。
火災当時、多くの文化財や芸術品がその場に留まっていましたが、多くが無事に保護されたことは幸いです。
火災後の復興作業は、職人たちの高度な技術と情熱によって行われ、2023年には、特にチャペルや内部の修復作業が進み、チャペルの美しい装飾が再び光を浴びることができました。
修復作業は、火災によって黒く汚れた壁画や彫刻を丁寧に清掃・修復することから始まり、象徴的な家具や美術作品の修復も同時に行われました。
2024年1月 木造フレーム完成
2023年から数ヶ月にわたる、大聖堂の祭壇上部に位置するフレームの再建に取り組み、2024年1月に完成。
作業の集大成として「ブーケ」を捧げる儀式を行いました。
2024年3月尖塔完成
2024年3月にはノートルダムの象徴である尖塔がパリの空に再びそびえ、外観が元の姿に戻り多くの注目を集めました。
歴史的な家具や美術作品の修復、パイプオルガンも再生作業が進められ、8,000本ものパイプの清掃と調律が続けられました。
2024年5月十字架の修復完了
5月には、ノートルダム大聖堂祭壇部分の屋根の頂上にあった「十字架」が修復され、再び元の位置に戻されました。
2024年7月: 「トランペットを持つ天使」の修復
7月には、火災で損傷を受けた唯一の中世の彫刻「トランペットを持つ天使」も修復され、再び元の位置に戻されました。
2024年9月北塔の鐘 修復
2024年9月には北塔の鐘も修復され、元の位置に戻りました。
これにより、大聖堂の象徴的な鐘の音が再びパリの街に響き渡りました。
内装の修復と新たな見どころ
ノートルダム大聖堂の復興作業は外観だけでなく、内部にも及びました。
特に、火災によってすすけた壁や美しいステンドグラスの修復作業や、黒と白の市松模様の床の復元も大きな修復の一環として行われました。
また、大聖堂の8000本のパイプを持つ壮大なパイプオルガンも清掃され、音色が復元されました。
さらに2026年には現代的なデザインのステンドグラスが設置される計画が進行中だそうです。
再開後のスケジュールと予約方法
ノートルダム大聖堂の再オープンは、2024年12月7日に再開式典からスタートしました。
最初のミサは12月8日に行われ、その中で大聖堂の祭壇が正式に奉納されました。
さらに、12月8日から15日までは「オクターヴ」と呼ばれる1週間の特別な宗教行事が予定され、毎日異なるミサやイベントが行われました。
一般公開は2024年12月8日でしたが、再オープン後のノートルダム大聖堂は、年間12〜15万人の訪問者を迎える予定と言われています。
このため、公式サイト (フランス語・英語) もしくはアプリ (フランス語・英語・スペイン語) iphone / Android での事前予約がおすすめです。
予約は、訪問予定日の2日前からのみ可能ですが、結構大変で、サイトを見る度に「売り切れ」でした。
しかし「売り切れ」と書いていても、翌日、当日分の可能な時間帯が表示されることもあるため、何度も確認されることをおすすめします。
予約無しでも入れますが、入場待ちの列が非常に長くなることがあります。
予約が難しい場合は、朝8時開館時に並べば、あまり待たずに入れるのではないかと思います。
一時は入場料を5€にするという文化大臣による提案がありましたが、入場自体は無料のままになります。
ただし、歴史的および宗教的な品が展示されている「トレゾール」という別のエリアへの入場は、有料のチケットが必要です。
見学コースとして音声解説付きもあるようですが、対応言語は、フランス語、英語、スペイン語のみです。
一般訪問時間帯
12月8日(日)
17時30分から22時まで
12月9日(月)~12月13日(金)
15時30分から22時まで
12月14日(土)・12月15日(日)
15時30分から20時まで
12月16日(月)以降
通常の営業時間に戻りました(8時から19時まで/ 木曜日は22時まで)
この再開は、ノートルダム大聖堂の美しさと多くの人々の努力の証として、歴史的な一日となりました。
ノートルダムの前広場に設置されたヴァーチャルリアリティ (VR) 体験「エターヌル・ノートルダム」を通じて、復興作業の裏側や歴史を体験することもできます。