オリンピック開催が9日後に迫った7月17日の朝10時、パリ市長アンヌ・イダルゴは、「セーヌ川を泳げるようにする」という公約を遂に果たし話題になっています。
パリは6月まで雨の日が多く、セーヌ川の水は濁って増水し、細菌の問題が懸念されていました。
セーヌ川浄化のために投入された、14億ユーロの投資が無駄になるのではないかと心配されていただけに、今回の成果はその懸念を払拭し、多くのメディアがこのニュースを大きく取り上げました。その様子をお伝えします。
パリのセーヌ川で泳ぐアンヌ・イダルゴ パリ市長
「私たちはセーヌ川を清潔にするために多くの努力をしました !」
7月17日の朝10時快晴のパリの空の下、パリ市長アンヌ・イダルゴは、パリオリンピック・パラリンピック組織委員会の会長トニー・エスタンゲ、イル=ド=フランス地方の知事マルク・ギヨームと共に、パリのセーヌ川に飛び込みました。
これは、セーヌ川を泳げるようにするという彼女の約束を果たすためです。
イダルゴ市長はネオプレン製のショートスーツと水泳用ゴーグルを装着し、セーヌ川の緑がかった水に入りました。
この歴史的な瞬間を目撃しようと、サンルイ島近辺のアンジュー橋やスリー橋には、多くの市民が集まりました。
5分程泳いだ後川から上がり、トライアスロン、スイミング選手たちの拍手の中で、イダルゴ市長は「これには、1.4億ユーロの大規模な投資と、多くの人々の努力が結集されています。」
「今日は喜びの日です。私たちはやり遂げました!」と誇らしげに宣言し、このプロジェクトは、パリオリンピックがなければ達成できなかったと彼女は語り、環境保護と都市の持続可能性を考慮した取り組みの成果を示しました。
そして「ジャック・シラクに思いを馳せています。彼もセーヌ川で泳ぎたいと強く願っていました」と述べました。
パリ市長(1977年から1995年)であった、元フランス大統領ジャック・シラク氏は、30年以上前に同じ約束をしましたが、実現することはできませんでした。
イダルゴ市長のこの発言は、彼女の前任者に対する敬意を示すものであり、今回の成果がいかに重要であるかを改めて強調しています。
最近の雨によるセーヌ川の水位上昇が解消され、さらに、細菌検査の結果も好調で、大腸菌などのレベルが日々減少していることが確認されています。
パリオリンピック組織委員会の会長トニー・エスタンゲ氏も、「セーヌ川でトライアスロン選手が泳ぐことができます。雨が降っても、適切な水質基準を満たすための対策が講じられています」と保証しています。
セーヌ川でのオリンピック競技が実現し、市民が再び川で泳げるようになることは、パリの未来にとって大きな前進です。
環境保護と都市の持続可能性を重視したこのプロジェクトは、今後も多くの人々に希望を与え続けることでしょう。