フランス司法省ブルヴァレ館 : ヨーロッパ文化遺産の日 アクセス・見どころ完全ガイド

毎年9月の第3週目の週末はヨーロッパ文化遺産の日。通常は非公開の政府機関や、歴史的な建築物が無料公開される特別な機会で、多くの観光客や市民が訪れます。

パリの高級宝飾店が立ち並ぶヴァンドーム広場にある、ブルヴァレ館 (Hôtel de Bourvallais) に所在するフランス司法省 ( Ministère de la Justice) もその一つです。

ブルヴァレ館は、ルイ14世の時代に建設が始まり、1718年に完成した歴史ある建物です。

豪華な装飾が施された館内を訪問できるいい機会です。アクセスや見どころをお伝えします。

フランス司法省 ブルヴァレ館 : アクセス

9月の第3週の土曜日と日曜日に開催される、ヨーロッパ文化遺産の日に公開されます。

事前予約が必要となった所が増えた中、ここは一般に予約無しで入場可能です。

公開時間は通常朝9時 - 18時ですが、開催日の1-2週間前に詳細公式サイト(英語版あり)などでご確認ください。

住所 : 13 Pl. Vendôme, 75001 Paris

地下鉄 : 3,7,8 号線 Opéra, 1 号線 Tuileries, 1,8 12 号線 Concorde

フランス司法省 ブルヴァレ館 : 見どころ

パリのヴァンドーム広場に面した、フランス司法省の所在するブルヴァレ館 (Hôtel de Bourvallais) は、ルイ14世の時代に建設が始まり、1718年に完成しました。

当初は財務省として使用されていましたが、1791年からフランス司法省の本部として転用されました。

館の名前は、ルイ14世時代の財務大臣であったブルヴァレ伯爵に由来しています。18世紀を通じて、ブルヴァレ館はフランスの重要な政務に深く関わる場所となり、歴代の司法大臣や高官たちがここで業務を行ってきました。

ブルヴァレ館は、古典的なフランス建築様式を反映し、内部には、ロココ様式やバロック様式の豪華な装飾が施された部屋が多数存在します。

館内の主要な部屋の見どころを紹介します。

L'Escalier d'Honneur(栄誉の階段)

栄誉の階段は、ブルヴァレ館の中でも特に歴史的価値が高い空間で、18世紀にルイ14世の建築家ロベール・ド・コットによって設計されました。

ここには、フランスが誇るゴブラン工房製のタピスリーが飾られていて、ラファエロのデザインをもとに、アポロンと詩人たちが描かれています。

階段は建物の中で改修が少なく、オリジナルの姿を保っていることも見どころの一つです。

また、セーヴル陶器の花瓶も展示され、フランスの工芸技術の象徴となっています。

Le Salon Vert(グリーンサロン)

グリーンサロンは、緑色のテキスタイルで覆われた壁からその名がつけられました。

かつては大臣の私的な空間で、現在はダイニングルームとして使用されています。

室内には、ルイ14世・15世に仕えた動物画家フランソワ・デスポルトの作品や、ルーヴル美術館から貸与された18世紀の上部装飾が飾られていて、その落ち着いた装飾が大きな特徴です。

Le Salon Jean-Paul Costa(ジャン=ポール・コスタ サロン)

このサロンは、ナポレオン1世の時代に司法大臣マッサ公爵のために初めて改装され、その後ナポレオン3世の時代にさらに手が加えられました。

装飾は華美ではなく、力や権威の象徴であるナポレオンの「N」も見られません。

これは、ブルヴァレ館が高級住宅としての特徴を保ちながら、行政機能を持つ建物へと変わっていく過程を反映しています。

今日では、公式な会議やレセプション、食事会が行われる場として使われ、ヨーロッパ人権裁判所の元裁判官ジャン=ポール・コスタに敬意を表して名付けられました。

La Galerie Peyronnet(ペイロネ ギャラリー)

ペイロネ ギャラリーは1827年に、司法大臣ペイロネ伯爵の指示で建設されました。

当初は省内の公式ダイニングルームとして使われていましたが、現在は事務所間の通路としての機能だけでなく、会議やレセプションの場としても活用されています。

資金の問題から工事の完了には困難が伴い、その経緯が公に論争を呼びました。バルザックは、この事件を自身の作品『役人たち』で暗に触れています。

内装は、ナポレオン3世の時代に豪華に装飾され、大理石や第二帝政期を象徴する家具が歴史的遺産として残されています。

Le Boudoir Eugénie(ユージェニーの私室)

1699年から1702年にかけて建設されたブルヴァレ館の一部として、隣接する部屋に仕える個室として作られました。

この部屋は、1859年8月14日に皇后ユージェニーがイタリア軍の凱旋パレードを見に訪れた際に改装され、その後彼女の名を冠することになりました。

修復により第二帝政期の華やかさが復元され、ナポレオン3世によって贈られた陶器の家具がその魅力を増しています。

Le Salon des Portraits(肖像の間)

18世紀に改装されたこの部屋には、フランス革命から復古王政にかけて活躍した法律家たちの肖像画が並びます。

ジャン=エティエンヌ=マリー・ポルタリスや公爵マッサなど、フランス法の近代化に大きく貢献した人物が描かれ、法の歴史を伝える重要な空間です。

Le Salon Pierre Masse(ピエール・マッセ サロン)

1857年以前の木彫り装飾と18世紀の美術様式が特徴の部屋で、扉上部の花や鳥の装飾から「鳥の間」とも呼ばれます。

窓からは司法省の庭が見渡せ、19世紀初頭にイギリス式庭園として再設計されました。

1942年にアウシュビッツで亡くなった弁護士であり政治家であったピエール・マッセに敬意を表して命名され、現在では会議やレセプションの場として使用されています。

Le Salon du Sceau(印章の間)

この部屋は19世紀に改装され、かつては王室の文書に公式印章を押すための儀式が行われていた重要な空間です。

現在は司法大臣の秘書官の執務室として使われています。

部屋の壁には、フランス法の発展に大きな貢献を果たした歴代の司法官たちが描かれています。

L'Ancien Cabinet du Ministre(旧大臣執務室)

この部屋は、王政時代には大臣や司法官が使用した応接室でしたが、1827年以降は司法大臣の執務室として使われました。

豪華なロココ様式の装飾が特徴で、暗い木材にはフランス法に関連するモチーフが彫刻されています。

扉の上には「賢明さ」と「力」を象徴する人物の絵が描かれ、ナポレオン3世を示す「N」のモチーフが天井や壁に見られます。

現在は、司法大臣の秘書官室として使われています。

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