毎年9月の第3週目の週末はヨーロッパ文化遺産の日。通常は非公開の政府機関や、歴史的な建築物が無料公開される特別な機会で、多くの観光客や市民が訪れます。
パリのパレ・ロワイヤル広場にあるフランス文化省 ( Ministère de la Culture) もその一つで、この文化遺産の日は、1984年文化省の提案で開始されました。
フランスの政府の多くの機関は、歴史的に重要な建物や元宮殿を使用し、フランスの歴史や文化を象徴する場所で、一見の価値があります。
パレ・ロワイヤル広場周辺にはルーヴル美術館、オペラ座もあり観光名所も多く集まっています。
機会があればぜひ訪れてみて下さい。アクセス・見どころをご紹介します。
フランス文化省 パレ・ロワイヤル アクセス
9月の第3週の土曜日と日曜日に開催される、ヨーロッパ文化遺産の日に公開されます。
事前予約が必要となった所が増えた中、ここは一般に予約無しで入場可能です。
公開時間は通常朝9時 - 18時ですが、開催日の1-2週間前に詳細を公式サイト(英語版あり)などでご確認ください。
住所 : 3 Rue de Valois, 75001 Paris
( この住所は出口となり、この日はパレ・ロワイヤル広場側から入場します)
地下鉄 : 1,7 号線 Palais Royal - Musée du Louvre
フランス文化省 パレ・ロワイヤル 見どころ
フランス文化省の本部が置かれているパレ・ロワイヤル ( 王宮 ) は、リシュリュー枢機卿の邸宅として1639年に建てられ、当初は カーディナル宮殿と呼ばれていました。
リシュリューが亡くなった後、パレ・ロワイヤルはフランス国王ルイ13世の幼い息子であるルイ14世に遺贈され、それ以降、フランス王室の一部として使用され、特にオルレアン公爵家が居住したことから、パレ・ロワイヤル(王宮)と呼ばれるようになりました。
フランス革命の時期には、パレ・ロワイヤルは商業的なスペースとして利用され、また、政治的な集まりの場となりました。
革命後、宮殿としての役割は薄れましたが、重要な公共建物として維持されました。
1959年、フランス文化省(Ministère de la Culture)が設立された際、パレ・ロワイヤルがその本拠地として選ばれ現在に至っています。
Salon Alechinsky(アレシンスキーの間)
1985年にアーティストのピエール・アレシンスキーによって制作された作品「Outre-Mer」が飾られている部屋で、階段を上り最初に訪れる場所です。
彼の独特な中国風のインク画やアクリル画が特徴で、カジュアルな空間にモダンな要素を取り入れた内装がされています。
Salon Jérôme(ジェロームの間)
元々はオルレアン公爵夫妻のパレードルーム ( 公式行事や儀式、重要な客を迎えるための部屋 )として使用されていましたが、後にジェローム・ボナパルトの寝室となりました。
天井にはナポレオン・ジェロームのイニシャル「NJ」と鷲の紋章が描かれ、部屋の家具や装飾は、豪華さと威厳を強調したエンパイア様式 (ナポレオン1世の時代に流行した建築、家具、装飾のスタイル ) でまとめられています。
Bureau Ministre(大臣執務室)
この部屋は、かつてオルレアン公爵夫妻の執務室でした。ルイ16世様式のインテリアやナポレオン3世時代の装飾が特徴です。
現在は文化大臣の執務室として使用されていますが、歴史的な家具や装飾がそのまま保存されています。
アンドレ・マルロー元文化大臣がこの部屋を使用していたことでも知られています。
Bureau(執務室)
1820年にフォントーヌ (ナポレオン1世の時代に影響力を持ち、多くの重要な建築物や宮殿の改装を手掛けた建築家) によって整えられたこの部屋は、繊細で細部にまでこだわった装飾が施されています。
特に窓の上にある5枚のパネルが特徴で、中央には女神ディアナが描かれています。
緑のラッカーで仕上げられた棚もあり、エレガントな家具が揃っています。
Salon des Maréchaux(元帥の間)
元々ルイ・フィリップの妻、マリー=アメリーの居住区の接見室として使用されていました。
1959年にオフィスとして分割され、1989年に修復され、現在は文化省の公式レセプション(授賞式、記者会見など)に使用される部屋です。
1750年代に建築家コンタント・ダヴリーによって設計された装飾が特徴で、家具やインテリアの一部はナポレオン時代のものです。
-
フランス司法省ブルヴァレ館 : ヨーロッパ文化遺産の日 アクセス・見どころ完全ガイド
毎年9月の第3週目の週末はヨーロッパ文化遺産の日。通常は非公開の政府機関や、歴史的な建築物が無料公開される特別な機会で、多くの観光客や市民が訪れます。 ...
続きを見る