11月1日は「諸聖人の日」と呼ばれる特別な祝日で、多くのフランス人が家族と共に過ごし、亡くなった人々を敬う日です。
この日は、祖先のお墓を訪れる習慣があり、墓地には色とりどりの花が捧げられます。
フランスでのこの日の過ごし方やその背景についてわかりやすく紹介します。
諸聖人の日(Toussaint トゥッサン)とは?
「諸聖人の日」は、フランスで11月1日に行われるカトリック教会の祝日です。
この日は「全ての聖人」を祝う日として、家族や友人と過ごし、特に亡くなった人々の霊を敬うことが重視されます。
もともとはキリスト教の伝統に基づく行事で、現代でも多くの人が墓地に足を運び、先祖をしのびます。
「諸聖人の日」の歴史は古く、ローマ時代にまでさかのぼります。キリスト教が広まるにつれ、聖人を称える習慣が広まりました。
現在では、宗教に関係なく多くの人が亡くなった人々をしのぶ日として、この日を過ごしています。
なぜ11月1日が特別な日なのか?
11月1日はカトリック教会で「聖人を祝う日」として定められています。
この日は、特定の聖人だけでなく、名前が知られていない聖人たちも含めた「すべての聖人」が祝われるため、「諸聖人の日」と呼ばれています。
11月1日はフランスの祝日であるため、多くの家庭が家族や親しい人と一緒に過ごします。
この日は亡くなった方々への敬意を表すために、多くの人が墓地を訪れる伝統があります。
パリ市内の有名な墓地、例えばペール・ラシェーズ墓地などを訪れると、静かで厳かな雰囲気の中でフランスの文化に触れることができます。
墓参りと花の捧げ物
「諸聖人の日」には、多くのフランス人が墓地を訪れ、故人に敬意を表すために花を捧げます。
菊の花がよく使われるのも特徴で、これは耐久性があり、長持ちするためです。
11月1日が近づくと、パリの街の花屋は菊の花で満ち溢れ、独特の華やかさをもたらします。
また、墓地にはこの日に限って多くの家族連れが集まり、静かで厳かな雰囲気が漂います。
子供たちにとっても、大切な伝統を学ぶ機会となっています。
パリで最も有名で広大なペール・ラシェーズ墓地には、多くの著名人が眠っています。
下の写真は、この墓地にあるいつも花がが絶えないショパンの墓です。
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他の国との違い
フランスだけでなく、多くの国々で11月1日は特別な日とされていますが、その過ごし方には違いがあります。
例えば、スペインやメキシコでは「死者の日」として賑やかな祭りが行われ、音楽や踊りで故人を祝います。
一方、フランスでは静かにお墓参りをする文化が根付いており、シンプルで落ち着いた儀式が主流です。
「諸聖人の日」を理解することは、フランスの文化や伝統を知る一歩となります。
亡くなった人々を敬う気持ちや家族との絆を大切にする姿勢は、日常生活の中でも重要な要素として根付いています。