パリのセーヌ川沿い、ボン・デ・ザール ('芸術橋) の端にあるフォトスポットにもなっているフランス学士院。
ドーム型の屋根の建物は見かけたことがあっても、中に入る機会は少ないと思います。
ただ毎年9月に開催されるヨーロッパ文化遺産の日と、学士院内の図書館は利用可能なため入場可能です。
建物は知っていても、内部は知らない。今後訪れてみたい人のために詳細をお伝えします。
フランス学士院 Institut de France とは ? その歴史と役割
フランス学士院は、研究や教育、知識の発展を目的としたフランスの学術組織で、1666年にルイ14世の命により創設されました。
当初は「知識の殿堂」として、多くの著名な科学者や哲学者が集う場所となり、現在もフランス国内外の知識人が集う拠点として機能しています。
フランス学士院は、アカデミー・フランセーズ ( フランス語の標準化や辞書編集を担当) をはじめとする5つのアカデミー ( 学問や芸術の特定の分野を促進・保護するために設立された機関 ) から成り、言語、文学、科学、芸術などの分野でフランスの文化的遺産を守る重要な役割を担っています。
特に、アカデミー・フランセーズの影響力は国内外に及んでいます。
フランス学士院は、フランス文化の象徴ともいえる場所です。
フランス学士院 Institut de France アクセス・基本情報
セーヌ川の左岸に位置し、観光名所の一つであるポン・デ・ザール(芸術橋)のすぐ近くにあります。橋の反対側はルーヴル美術館です。
住所 : 23 Quai de Conti, 75006 Paris
地下鉄 : 10 号線 Mabillon, 4,10 号線 Odéon, 7 号線 Pont Neuf
訪問する方法
毎年9月第3週目の週末に行われるヨーロッパ文化遺産の日
開館時間は一般に9時から18時までで、予約無しのことが多いので、並んでいれば入場できます。
人気場所でもあるため午前中早くがおすすめです。
時間などの詳細は、毎年開催日の1-2週間前に公式サイトに記載されます。
フランス学士院にあるマザリンヌ図書館 Bibliothèque Mazarine
一般公開されているフランスで最も古い図書館で、この図書館の英語版サイトもあります。
開館時間 : 月曜日 - 土曜日 10 時 - 18 時
閉館日 : 日曜日、夏季休暇 8月1日 - 15 日 他フランスの祭日など、詳細はサイトで公開
料金 : 無料(身分証明書要 )
フランス学士院 Institut de France 見どころ
建物内全てを見学するには、ヨーロッパ文化遺産の日です。
以下フランス学士院の主な見どころです。
ラ・クーポール La Coupole
フランス学士院のシンボルともいえる大ドーム(クーポール)は、その壮麗な建築が訪問者の目を引きます。
この大きなドームは、17世紀に建てられたバロック様式の美しい建物の中心部に位置し、直径20メートルにも及ぶ、巨大な屋根を支える精巧な構造が特徴です。
天井には豪華な装飾が施され、フランスの歴史と文化を象徴する重要な場所です。
外観だけでなく、内部も歴史的なアートワークや彫刻が飾られており、建築ファンや歴史愛好者にとって必見の場所です。
アカデミーのメンバーの任命式もここで行われ、各アカデミーの代表が集まりスピーチが行われる場所でもあります。
ラ・ビブリオテック・マザリーヌ La Bibliothèque Mazarine
マザリーヌ図書館は、フランスで最も古い公立図書館の一つで、1653年に設立されました。
この図書館には、15世紀からの歴史的な文書や貴重な本が収蔵され、特に古典的な書籍や稀少本のコレクションで知られています。
図書館の内装は、木製の本棚と彫刻が施された装飾があり、落ち着いた雰囲気が漂います。
また、マザラン枢機卿によって収集された膨大なコレクションも展示され、歴史や文学に興味がある人々にとっては、知的な探究心を刺激する場所です。
ラ・グランド・サル・デ・セアンス La Grande salle des séances
大セッションホールは、フランス学士院 の中でも最も重要な会議が行われる場所です。
この広々としたホールは、フランスの学術や文化の発展に寄与してきた多くの著名な人物が議論を交わした歴史的な場でもあり、ラシーヌ、モリエールなど、フランスの偉大な文学者や芸術家の肖像画や像が飾られています。
内部は豪華な装飾で彩られ、特にシャンデリアや彫刻が施された壁面は見どころです。
また、このホールではアカデミーメンバーの会議や講演会が定期的に開催され、フランス文化の中心的な役割を担っています。
ラ・プティット・サール・デ・セアンス La petite salle des séances
小セッションホールは、より小規模な会議や特別な会合が行われる場所で、毎週木曜日にアカデミー・フランセーズが会議を行います。
このホールは、大セッションホールと比べると規模は小さいものの、静かで親密な雰囲気が特徴です。
特に目を引くのは、アカデミー・フランセーズの創設者であるリシュリュー機卿の肖像画で、オリジナルは現在、ルーブル美術館に保管されています。
ここでは、フランスの著名な知識人や芸術家が参加する会議や議論が行われ、研究や文化交流の場として重要な役割を果たしています。
内部の装飾はクラシックなデザインで統一されており、歴史的な重厚さと落ち着いた雰囲気が調和しています。
まとめ
フランス学士院は、パリの中心部、セーヌ川の左岸に位置し、観光名所の一つであるポン・デ・ザール(芸術橋)のすぐ近くで、徒歩圏内にはルーヴル美術館やサン・ジェルマン・デ・プレ地区もあり、周辺の観光も効率よく楽しむことができます。
バロック様式の建物を訪れるだけでも、パリの建築美に触れることができます。
機会があればぜひ訪れてみて下さい。