パリのペール・ラシェーズ墓地は、フランス最大の墓地として世界的に有名です。
ここには、歴史に名を残した偉人たちの墓が多くあり、観光スポットとしても多くの人が訪れます。
しかし、広い敷地のため迷子になる可能性も。この記事では、見逃せないスポットと、詳しいアクセス方法と楽しみ方をご紹介します。
ペール・ラシェーズ墓地とは?
ペール・ラシェーズ墓地は、1804年にパリ東部に開園された、フランス最大規模の墓地です。
約44ヘクタールの広大な敷地を持ち、7万以上の墓が並び、フランス国内外から多くの観光客が訪れます。
この墓地には、歴史的な著名人や文化人、芸術家、音楽家、作家、思想家など、さまざまな分野で活躍した偉人たちの墓が数多く存在します。
ペール・ラシェーズ墓地は単なる墓地にとどまらず、美しい彫刻や独特なデザインの墓石が立ち並ぶ「屋外博物館」とも言える場所です。
また、敷地内には曲がりくねった小道や緑豊かな並木道が広がり、自然の美しさと人間の歴史が共存する空間となっています。
ここを訪れることで、フランスの文化と歴史に触れつつ、パリの独特な雰囲気を感じることができます。
さらに、パリの市民や訪問者が散歩を楽しむ場所としても親しまれ、静かで落ち着いた環境の中で過去の偉人たちに思いを馳せることができます。
ペール・ラシェーズ墓地 有名人の墓
ペール・ラシェーズ墓地には、フランス国内外で歴史に名を残した多くの著名人が眠っています。
ここでは、訪れる価値のある有名人の墓をご紹介します。
ショパンの墓
ポーランド出身の作曲家フレデリック・ショパンは、パリで生涯を閉じたことから、彼の足跡はパリの各所に残されています。
ショパンが暮らしていた家や、彼の功績を讃える像もあり、パリ市民や世界中のファンから愛され続けています。
ショパンの墓は、クラシック音楽史に残る彼の才能を偲ぶ特別な場所で、多くの訪問者が花やメッセージを捧げに訪れます。
その墓石には優美な彫刻が施されて、静かに彼の存在を感じることができる場所です。
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オスカー・ワイルドの墓
アイルランド出身の作家オスカー・ワイルドの墓もペール・ラシェーズ墓地で見逃せないスポットの一つです。
彼の墓には独特な彫刻が施され、訪れたファンがそのユニークなデザインに敬意を表することで知られています。
この彫刻はワイルドの自由で反抗的な生き方を象徴し、彼の作品と同じように強い個性が感じられます。
ワイルドの墓は、彼の文学を愛する人々や、彼の人生観に共感する訪問者にとって特別な場所となっています。
マルセル・プルーストの墓
『失われた時を求めて』で知られるフランスの作家マルセル・プルーストも、このペール・ラシェーズ墓地で眠りについています。
プルーストは、時間の流れや人間の記憶をテーマにし、非常に細やかな観察力で過去の経験や人間関係を描写しました。
その独自の視点と作風は文学界で一時代を築き、多くの人々に影響を与えています。
プルーストの墓には、彼の文学的な功績に敬意を表するファンが今も多く訪れ、花やメッセージが絶えません。
彼の墓は静かで控えめな佇まいですが、そのシンプルなデザインはかえって彼の作品に込められた深い洞察を象徴するかのようです。
訪問者の中には、プルーストの作品に登場する人物や場面を思い起こしながら墓前に立つ人もおり、彼の文学的遺産が現在も色褪せないことを物語っています。
オノレ・ド・バルザックの墓
「エミリーパリへ行く」のシーズン2でも登場した、フランス文学の巨匠オノレ・ド・バルザックもペール・ラシェーズ墓地に眠る一人です。
19世紀を代表する作家であり、彼の名は一連の小説群『人間喜劇』で広く知られています。
『人間喜劇』では、パリの街並みやフランス社会のあらゆる階層をリアルに描き、当時の社会や人間関係を詳細に観察し、深く掘り下げました。
彼の鋭い視点と豊かな想像力は、後世の文学者や社会学者に大きな影響を与え続けています。
バルザックの墓は、彼の偉大な功績を敬愛する文学ファンや歴史研究者にとって、訪れる価値のある場所として知られています。
現在もフランス国内外から多くの人が訪れ、彼の墓の前で花を捧げたり、しばしば作品について語り合う姿が見られます。
その墓碑には荘厳な雰囲気が漂い、まるで彼の文学の世界を象徴しているかのようです。
イヴ・モンタンとシモーヌ・シニョレの墓
フランスの映画俳優であり歌手でもあったイヴ・モンタンと、彼の妻である女優シモーヌ・シニョレも、ペール・ラシェーズ墓地で静かに眠っています。
イヴ・モンタンはその歌声とカリスマ的な演技力で多くのファンを魅了し、シモーヌ・シニョレはフランス映画界における名女優として知られ、1959年にはアカデミー賞で主演女優賞を受賞するなど、国際的な評価を受けました。
彼らはフランス芸術と文化の象徴的な存在として、多くの人々に愛されています。
二人の墓は隣り合っており、まるで今も寄り添っているかのように見えるその姿は、二人の深い絆を象徴しています。
モンタンとシニョレは芸術と人生を共に歩み、互いに支え合ってきた夫婦でした。
二人の墓を訪れるファンは、映画や歌を通して彼らが表現した愛と情熱に思いを馳せ、花を捧げることでその功績に敬意を表しています。
エディット・ピアフの墓
シャンソンの女王として名を馳せたエディット・ピアフも、ペール・ラシェーズ墓地にその永遠の眠りについています。
彼女の代表曲「愛の賛歌」や「ばら色の人生」は、今もなお多くの人々に愛され続け、フランス音楽界において不朽の名作となっています。
波乱に満ちた人生を送ったピアフは、歌を通して愛や苦しみ、希望を表現し、その真実味ある歌声で多くの人の心に深い感動を与えました。
ピアフの墓は、彼女の歌を愛したファンたちが訪れ、花やメッセージが絶えない場所です。
その墓碑には家族や親しい友人たちの名前も刻まれており、彼女が愛された人々との絆が表されています。
訪れる人々は、彼女の歌や人生に込められた情熱と力強さを偲びながら、敬意を込めて手を合わせ、彼女の遺した文化的な遺産を心に刻んで帰ります。
ペール・ラシェーズ墓地 アクセス方法
ペール・ラシェーズ墓地には、5つの異なる入口があり、それぞれにアクセスの特徴があります。以下各入口の詳細です (公式サイト)
主要入口(正門 / Porte Principale)
- 特徴:車での入場が可能で、墓地内でも最大の入口です。
- 住所:郵便住所はありませんが、メニルモンタン大通り(boulevard de Ménilmontant)とロケット通り(rue de la Roquette)の交差点向かいに位置しています。
- 交通機関:メトロ2号線「フィリップ・オーギュスト駅(Philippe Auguste)」下車、徒歩すぐ。バス61、69番が利用可能。
ポルト・デュ・ルポ(Porte du Repos)
- 特徴:徒歩専用入口で、墓地の管理棟(コンセルヴァシオン / conservation)に近く、入って左に約20メートルで到達します。
- 住所:16 rue du Repos, 75020 Paris
- 交通機関:メトロ2号線「フィリップ・オーギュスト駅(Philippe Auguste)」から徒歩圏内。
ポルト・デ・アマンディエ(Porte des Amandiers)
- 特徴:徒歩専用(階段あり)。ドーリック様式の柱が並ぶ入口で、約30段の階段があります。
- 住所:郵便住所はありませんが、メニルモンタン大通り(boulevard de Ménilmontant)沿い、メトロ「ペール・ラシェーズ駅(Père Lachaise)」向かいに位置。
- 交通機関:メトロ2号線、3号線「ペール・ラシェーズ駅(Père Lachaise)」から徒歩すぐ。バス61、69番が利用可能。
ガンベッタ門(Porte Gambetta)
- 特徴:車での入場が可能で、火葬場(クレマトリウム / crématorium)に近い位置にあります。
- 住所:郵便住所はありませんが、ロンデュー通り(rue des Rondeaux)沿い、ペール・ラシェーズ大通り(avenue du Père-Lachaise)との交差点付近に位置。
- 交通機関:メトロ3号線、3bis号線「ガンベッタ駅(Gambetta)」から徒歩すぐ。バス26、60、61、69、102番が利用可能。
ポルト・ド・ラ・レユニオン(Porte de la Réunion)
- 特徴:徒歩専用入口で、アクセスは階段を利用します。
- 交通機関:メトロ2号線「アレクサンドル・デュマ駅(Alexandre Dumas)」下車。バス76番が利用可能。
ペール・ラシェーズ墓地 開園時間
11月から3月中旬までの開園時間
- 月~金曜日:8時00分 ~ 17時30分
- 土曜日:8時30分 ~ 17時30分
- 日曜日・祝日:9時00分 ~ 17時30分
3月中旬から10月までの開園時間
- 月~金曜日:8時00分 ~ 18時00分
- 土曜日:8時30分 ~ 18時00分
- 日曜日・祝日:9時00分 ~ 18時00分
注意:閉園の15分前が最終入場時間です。
迷わず楽しむためのポイント
訪れる入口を決める
初めて訪れる場合、正門から入ると案内が充実しているため便利です。メトロ2号線「フィリップ・オーギュスト駅(Philippe Auguste)」からすぐのためアクセスしやすいです。
訪問ルートを事前に確認
広い墓地を効率的に巡るには、地図を手に入れ、訪れたい場所を事前に確認しておくことがおすすめです。
地図はダウンロードできます。歩きやすい靴で
階段がある入口や、広い敷地を歩く必要があるため、快適に過ごせる服装で訪れると良いでしょう。
正直なところ、あまりにも広大な墓地のため、地図を見てもかなり迷います。
観光客の多くはガイド付きツアーを利用しており、効率よく疲れずに有名人の墓を巡るには良い方法といえます。