パリには、ルーヴル美術館のような有料の名所だけでなく、無料で素晴らしいアートを楽しめる美術館が数多くあります。
観光エリアの中心に位置し、歴史的な建物自体も見応えがあり、巨匠の名作を間近で鑑賞できる魅力的な場所です。
美術館の庭園に併設された静かなカフェレストランで、鑑賞後もゆったりと過ごせるのも魅力。
パリ観光の際には、有料美術館とあわせてぜひ訪れてみてください。
パリ市立プティ・パレ美術館 Petit Palais, Musée des Beaux-Arts de la Ville de Paris
アレクサンドル3世橋のすぐ近くにあるこの美術館は、1900年のパリ万国博覧会のために、グラン・パレやアレクサンドル3世橋と同時期に建てられました。
建物を見るだけでも価値があり、常設展はすべて無料で見られます。
シャンゼリゼ通りのすぐ近くにも関わらず一歩美術館を入ると静かな中庭があり、設置されたカフェでお茶を飲みながら、春には桜の花も眺められます。
エントランスホールの高い天井には、フランス人画家アルベールベナールが制作した、素晴らしい4枚のパネルが飾られ、中世、初期のルネッサンスに始まり、17世紀のレンブラントや、18世紀のフラゴナール、19世紀のドラクロワ、セザンヌ、モネなど巨匠の作品を全て無料でみることができます。
螺旋階段の円天井に描かれているモーリス・ドニ作「フランス美術の歴史」も見逃せません。
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パリ市立プティパレ美術館・おすすめ無料美術館・ガイド
パリのシャンゼリゼ通りと、最も美しい橋と言われるアレクサンドル3世橋のすぐ近くにあるパリ市立プティパレ ( Petit Palais) 美術館。 プテ ...
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公式サイトの英語版はこちらからです。サイトからバーチャルツアー ( 仮想旅行 )も可能です。
開館時間 : 火曜日 - 日曜日 10時00分~18時00分
閉館日 : 月曜日、1月1日、5月1日、7月14日、11月11日、12月25日
住所 : Avenue Winston-Churchill 75008 Paris
メトロ : 13号線 Champs-Elysées-Clemenceau
パリ市立近代美術館 Musée d'art moderne de la Ville de Paris
エッフェル塔のすぐ近くにあり、パレ・ド・トーキョーの東翼にある、1910年代から現代に至るまでの作品をみることができるこの美術館の常設展は無料です。
常設展だけでも素晴らしく、ラウル・デュフィ「電気の精」、アンリ・マティスの壁画「ダンス」の連作、藤田 嗣治 ( 美術館ではフランスに帰化後の名前、レオナール・フジタ ) の「寝室の裸婦キキ」、アメデオ・モディリアーニの「青い目の女」、マルク・シャガールの「夢」など、15000 近い巨匠の作品が無料で見られます。
美術館を出ると噴水のあるエッフェル塔が見える中庭があり、カフェやレストランで休憩も出来ます。
開館時間 : 火曜日 - 日曜日 10時00分~18時00分 ( 木曜日は22時まで )
閉館日 : 月曜日 ( 1月1日、5月1日、7月14日、12月25日などフランス祝日は閉館の可能性があります)
住所 : 11 Av. du Président Wilson, 75116 Paris Tel 01 53 67 40 00
メトロ : 9号線 Alma Marceau, Iéna
ヴィクトル・ユーゴー記念館 Maison Victor Hugo
マレー地区にある17世紀の美しい赤レンガの建物に囲まれたヴォージュ広場の一画にある、「レ・ミゼラブル」や「ノートルダム・ド・パリ」で有名な文豪ヴィクトル・ユーゴの記念館です。
ここはヴィクトル・ユーゴが妻アデルと子供たちと1832年から1848年まで16年間暮らしていた家です。
記念館としてオープンしたのは1903年ですが、この記念館の展示室を1851年ナポレオン3世の帝政復活に異議を唱えガーンジー島に亡命する前、亡命中、亡命後と分けてみることができるようになっています。
入口階段を上り最初の展示室が亡命前の「控えの間」と「赤の間」、家族と暮らしていた幸せな時代で家族の肖像画や彫刻が飾られ、著名人との交流の場でした。
次の展示室は「中国の間」、この時ヴィクトル・ユーゴはガーンジー島に亡命中で、妻アデルの不倫を知ったユーゴが、愛人で女優のジュリエット・ドルエと暮らした時の展示室です。
中国風サロンとして陶磁器を組み合わせた装飾は見事で、これらの所持品はジュリエットのものと言われています。
最後の展示室は、亡命後パリに戻り亡くなるまで暮らしたいた16区の家の寝室と書斎で、ユーゴとドルエの肖像画が飾ってあります。
公式サイトの英語版はこちらからです。
開館時間 : 火曜日 - 日曜日 10時00分~18時00分
閉館日 : 月曜日 ( 1月1日、5月1日、7月14日、12月25日などフランス祝日は閉館の可能性があります)
住所 : 6 Pl. des Vosges, 75004 Paris Tel 01 42 72 10 16
メトロ : 8号線 Chemin Vert, 1号線 Saint Paul
マレー地区にあるカルナヴァレ邸とル・プルティエ・ド・サン-ファルジョー邸内に開館した美術館で、パリ市歴史博物館とも呼ばれ、その名の通りパリの街の歴史を知ることができる美術館です。
1880年に誕生した世界最古の街の歴史博物館ですが、老朽化のせいで2016年から一時閉鎖。2021年にリニューアルオープンしました。
絵画、彫刻、家具、調度品、版画や写真、看板など62万5000点のコレクションが展示され、先史時代からフランス革命時代、現代までの展示品を見ることができます。
特にフランス革命の始まり1789年7月14日のバスチーユ占領の様子や、ルイ16世一家の革命前後の絵画やコレクション、マリーアントワネットが履いていた絹の靴など革命前後からベル・エポックを経て現代までのパリの街の移り変わりのコレクションは興味深いです。
ベル・エポック、アール・ヌーヴォーの素敵なインテリアとしてアルフォンス・ミュシャによる宝飾店「ジョルジュ・フーケ」の店内装飾を再現した展示室、またフランスが誇る大作家マルセル・プルーストがパリで「失われた時を求めて」を書いていた時に寝ていたベッドは必見です。
美術館内はかなり広く、時代別に展示されているため、ベル・エポックやプルーストの展示室は最後の方になります。
見学順序に従って進んでいくと迷わずたどりつけると思います。
春から秋にかけて設置されている庭園内のテラス席カフェレストランは人気があり好評で 、美術館内からも、別の通りからも直接アクセスできます。
開館時間 : 火曜日 - 日曜日 10時00分~18時00分
閉館日 : 月曜日、1月1日、5月1日、12月25日
住所 : 23 Rue de Sévigné, 75003 Paris Tel 01 44 59 58 58
メトロ : 1号線 Saint Paul, 8号線 Chemin Vert
コニャック・ジェイ美術館 Musée Cognac Jay
マレ地区のカルナヴァレ美術館のすぐ近くにあり、パリの「サマリテーヌ百貨店」「サマリテーヌ・ドゥ・リュックス」百貨店の創始者エルネスト・コニャックと妻マリールイーズ・ジェイのコレクションが、16世紀に建てられたドノン館に展示されています。
18世紀の絵画や、彫刻、家具、陶器、宝飾品などのコレクションがあり、ジャン -オノレ・フラゴナールや、フランソワ・ブーシェなどロココを代表する画家の作品を貴族の館で見ることができます。
特に 「Siècle de Boucher ブーシェの時代 」の展示室では、ブーシェの他、フラゴナール、レンブラントの絵画「預言者バラムのロバ」も見ることができ、絵画と調和したすばらしい室内装飾も堪能できます。
他マイセン、セーブルの陶磁器のコレクションもお楽しみいただけます。
公式サイトの英語版はこちらからです。
開館時間 : 火曜日 - 日曜日 10時00分~18時00分
閉館日 : 月曜日、1月1日、5月1日、12月25日
住所 : 8 Rue Elzevir, 75003 Paris Tel 01 40 27 07 21
メトロ : 1号線 Saint Paul, 8号線 Chemin Vert
まとめ
この中で一番広い美術館がカルナヴァレ美術館です。
春から秋のシーズンならテラス席のレストランで途中休憩できますが、時間に余裕のある時にご覧いただいた方が楽しめると思います。
桜の花を中庭や正面入口で見ることができるのが、パリ市立プティ・パレ美術館 。美しいアレクサンドル3世橋や、シャンゼリゼ通りの近くです。
エッフェル塔近辺ならパリ市立近代美術館 、マレ地区のボージュ広場ならヴィクトル・ユーゴー記念館ですね。この広場には有名なサロン・ド・テ 「カレット」もあります。
楽しいパリ滞在をお過ごしくださいね。