パリのパンテオンは、フランスの歴史や文化を深く体感できる人気の観光スポットです。
パンテオンの見どころは、その壮大な外観やドームだけでなく、内部にあるフーコーの振り子や、名高い人物たちが眠る地下のエリアです。
この記事では、パリパンテオンのアクセス方法や見逃せないポイントを詳しく紹介します。
パンテオンへのアクセス
パンテオンは、パリの中心部、カルチェ・ラタン地区に位置しています。
カルチェ・ラタンは、パリの5区にあり、古くから大学や学術機関が集まる学生街として知られています。この地区の名前は、中世の大学でラテン語が主要な学問言語として使われていたことに由来しています。
開館時間 :
4月1日から9月30日まで : 10:00 - 18:30
10月1日から3月31日まで : 10:00 - 18:00
※閉館45分前が最終入場時間となります。
特別な開館時間 毎月の最初の月曜日(開始は12時から)
年間休業日 :
1月1日, 5月1日, 12月25日
料金 :
個人料金 | 13ユーロ |
パノラマ追加料金 (ドーム) | 3.50ユーロ |
オーディオガイド ( 日本語あり) | 3ユーロ |
18歳未満 | 無料 |
障害のある方とその介助者 | 無料 |
1月、2月、3月、11月、12月の第一日曜日 | 無料 |
住所 : Place du Panthéon, 75005 Paris
最寄り駅 : RER B 線 Luxembourg 地下鉄 7号線 Cardinal Lemoine, 10 号線 Cluny La Sorbonne
パンテオン訪問に最適な時と注意点
パンテオンは一年中訪れることができますが、特に観光客が少ない平日の午前中がおすすめです。
また、天気が良い日にはドームからのパリの景色が一層美しく見えるため、快晴の日を狙って訪れるのも良いでしょう。
チケットの購入はオンラインで事前に行うと、待たずに入場できます。
特にドームは混むため、オンライン予約が絶対おすすめです。
公式サイト( 英語版あり)、 または下記アクティビティサイト (24 時間前までキャンセル無料) などから購入できます。
公式サイトの場合は、返金変更不可能ですのでご注意ください。
他にもモニュメントや美術館を訪れたい場合は、ミュージアムパスがお得です。
また、内部は広く階段が多いので、歩きやすい靴を準備すると快適です。
特にドームに上りたい場合は、エレベーターはなく、206段の階段を上ることになります。
パンテオンの歴史と見どころ
パンテオンはもともと教会として建設されましたが、フランス革命後、国家の偉人たちを祭る場所へと変わりました。
ここには、ジャン=ジャック・ルソー、ヴォルテール、ヴィクトル・ユゴーなど、フランスを代表する哲学者や作家、科学者、政治家たちの偉大な足跡を辿ることができます。
事前に歴史や著名人について簡単に調べておくと、より深く楽しめます。
建物自体はネオクラシック様式 (18世紀後半から19世紀初頭にかけてヨーロッパで広まった建築・芸術のスタイル) で、正面にある大きな柱(コリント式の円柱)や、壮大なドームの形状がその特徴です。
荘厳で力強い外観は訪問者を圧倒し、古代ギリシャ・ローマの建築様式を彷彿とさせるデザインが際立っています。
パンテオンの最大の見どころは、地下にあるフランスの偉人たちが眠る場所と、内部のフーコーの振り子です。
また、パンテオンのドームに登ると、パリの街並みを一望できる絶景が広がり、写真撮影にも最適です。
フーコーの振り子
フーコーの振り子(Le Pendule de Foucault)は、19世紀のフランスの物理学者レオン・フーコー(Léon Foucault)が、地球の自転を視覚的に証明するために設計した装置です。
1851年、フーコーはパリのパンテオンにこの振り子を設置し、その動きによって地球が自転していることを証明しました。
仕組み
フーコーの振り子は、長いワイヤーで吊るされた重い球体から成り立っています。
この振り子は一度振り始めると、理論的には外部の力が加わらない限り、同じ方向に揺れ続けます。
しかし、地球が自転しているため、実際には振り子の揺れる方向がゆっくりと回転しているように見えます。
この回転は、地球が1日(約24時間)で1回転していることを示しています。
パンテオンにおけるフーコーの振り子
パンテオンでは、天井から吊り下げられたフーコーの振り子が観光客を迎え、現在でもその動きを観察することができます。
振り子の下には円形のプレートが設置されていて、その上を振り子が振り続けることで、地球が自転していることを確認することができます。
パンテオンは、この科学的な実験の象徴的な場所となっていて、訪れる人々は物理の歴史と地球の自転を実感できます。
パンテオンに眠るフランスの偉人たち
パンテオンの地下には、フランスの歴史に名を刻んだ多くの偉人たちが眠っていて、その中でも特に有名な人物たちの経歴をご紹介します。
ヴォルテール (Voltaire)
ヴォルテールは18世紀の啓蒙思想家であり、哲学者、作家として知られています。
本名はフランソワ=マリー・アルエで、フランス革命に先立つ時代に自由、理性、寛容を強く主張しました。
彼の著作『カンディード』は、皮肉と機知に富んだ哲学的風刺小説として有名です。
また、宗教的寛容や人権の重要性を説き、フランス革命や後世の自由主義運動に多大な影響を与えました。
ジャン=ジャック・ルソー (Jean-Jacques Rousseau)
ルソーは、フランスの啓蒙思想家であり、政治哲学者、作家、作曲家でもあります。
彼の代表作『社会契約論』では、「人間は生まれながらにして自由であるが、あらゆるところで鎖に繋がれている」と述べ、人々の自由と平等の権利を強調しました。
ルソーの思想は、フランス革命や近代的な民主主義思想に深い影響を与えました。また、教育論として『エミール』も非常に有名です。
ヴィクトル・ユゴー (Victor Hugo)
ヴィクトル・ユゴーは、19世紀フランスを代表する作家、詩人、政治家であり、特に『レ・ミゼラブル』や『ノートルダム・ド・パリ(ノートルダムの鐘)』などの小説で広く知られています。
彼は社会的な不平等や正義の問題に強い関心を持ち、その作品を通じて社会改革を訴えました。
ユゴーはまた、政治活動家としても活躍し、共和主義の支持者としてフランス政治に関与しました。
エミール・ゾラ (Émile Zola)
エミール・ゾラは、19世紀後半のフランスを代表する自然主義作家であり、社会的リアリズムを追求した作品で有名です。
彼の代表作『居酒屋』や『ナナ』などは、フランス社会の不公正や貧困に焦点を当てました。
ゾラは、ドレフュス事件に関与したことでも知られ、「私は弾劾する!」という手紙を新聞に発表して、ユダヤ人将校ドレフュスの冤罪を糾弾し、フランス国内外に衝撃を与えました。
マリー・キュリー (Marie Curie)
マリー・キュリーは、放射線の研究でノーベル賞を2度受賞した、フランスとポーランドを代表する物理学者・化学者です。
夫ピエール・キュリーとともにラジウムとポロニウムを発見し、放射線の性質についての研究で世界的に有名になりました。
彼女の業績は、がん治療のための放射線療法の発展にも貢献し、科学の分野での女性の地位向上にも大きな影響を与えました。
ジョセフィン・ベーカー (Josephine Baker)
2021年、彼女は黒人女性として初めてパンテオンに埋葬され、フランス国家に貢献した人物としてその功績が称えられました。
ジョセフィン・ベーカーは、20世紀初頭のフランスで活躍したアメリカ出身の歌手、ダンサー、そして人権活動家です。
彼女は、エンターテイナーとしてパリのミュージックホールで一躍有名になり、フランス文化のアイコンとなりました。
しかし、彼女の功績はエンターテイメントの分野に留まらず、第二次世界大戦中はフランス抵抗運動に参加し、また人種差別に反対する公民権運動にも積極的に取り組みました。
パリ観光と合わせて訪れるおすすめスポット
パンテオン周辺には、リュクサンブール公園やソルボンヌ大学、ノートルダム大聖堂など、歴史や文化に触れることができる観光スポットが点在しています。
特に、リュクサンブール公園は、静かな環境でリラックスできる場所としても人気です。
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パンテオン観光と組み合わせて、これらのスポットも訪れることで、パリの歴史と美しさをさらに満喫できるでしょう。
ガイド付きツアーに参加すれば、パンテオンの建築や歴史に関する詳細な説明を聞くことができ、より充実した体験を得られます。
日本語音声ガイドが含まれ、24 時間前までキャンセル無料のアクティビティもあります。