2025年初頭、フランスでは例年にない規模のインフルエンザ流行が発生しています。
特にクリスマス休暇期間中に感染が拡大し、現在も多くの病院が対応に追われています。
フランス国内の87の病院が“プラン・ブラン”(白計画)を発動し、予定されていた手術の一部を延期し、休暇中の医療スタッフを緊急呼び戻している状況です。
このような状況を考慮し、旅行者の皆さんには特に予防策を徹底することをおすすめします。
フランスのインフルエンザ流行――現状の概要
2024年末から2025年にかけて、インフルエンザによる入院率が過去の流行年と比較して非常に高くなっています。特に大人や子どもなど幅広い年代が影響を受けています。
87の病院が、新型コロナウイルス感染拡大時のように、予定手術の延期や医療スタッフの呼び戻しを実施。緊急性の高い症例に集中して対応しています。
早期に感染が広がったパリと近郊のイル・ド・フランス地域ではピークを超えつつありますが、他の地域では感染が依然として拡大しています。
フランスでは65歳以上の高リスク群でさえ、接種率が約54%に留まっています。医療従事者の接種率も18%程度と非常に低い状況です。
感染症専門医のピアリュー博士は、現在の状況について“非常に厳しい”と述べています。
特に2025年の流行は早い時期に始まり、波が二度発生する可能性があると警戒しています。
2017-2018年の流行では13,000人もの超過死亡が発生したことを考えると、現在の状況も油断できません。
コロナウイルスの感染状況は低水準で安定しています。
旅行者へのアドバイス
フランス旅行を予定している方は、出発予定日の2週間前には、インフルエンザワクチンを接種することを強くおすすめします。
また、マスク着用や手洗いなど基本的な感染対策も有効です。
フランスでは、日本のように風邪を引いた際にマスクをする習慣はありません。
インフルエンザが流行する冬でも、マスクをしている人は少なく、コロナウイルスの流行時と比べると、薬局でのマスクの取り扱いも減少しています。
そのため、旅行の際にはマスクを持参されることをおすすめします。
主な症状としては、高熱、咳、体の痛みなどが典型的なインフルエンザの症状です。
フランスでは“SOS Médecins”という訪問医療サービスや“Pharmacie”(薬局)での相談が便利ですが、すべての人が英語ができるわけではありません。
パリで日本人旅行者がよく利用する病院が、日本セクションもある英語の通じるアメリカン・ホスピタルです。
しかしフランスの公的医療保険 (セキュリテ・ソシアル) と協定を結んでいない病院のため、特に入院・手術となった場合、病院に支払う医療費が非常に高いです。
ご加入の保険を事前にご確認されることをおすすめします。
日本語の通じる医療機関に関しては、こちらの記事をご覧ください。
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フランスのインフルエンザ流行は、特に冬季の旅行者にとって重要な課題となっています。
旅行中の感染リスクを最小限に抑えるため、予防接種、感染対策の徹底、そして必要な場合には迅速な医療機関の利用を心がけるのがいいと思います。
また、現地の最新情報を確認し、安全で快適な旅をお楽しみください。