フランス医療保険と処方のルール:処方箋有効期間と還付対象の基準

セキュリテソシアル, フランス医療保険

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フランスは日本と同様、社会保険方式となっていますが、入院や外来の医療費は、国が定めた金額までしか還付されません。

そのため自己負担額を減らすため、ミチュエルと呼ばれる任意保険に大勢の人が加入しています。

パリで医師と仕事をし、フランスの医療保険業務に長く関わった経験から、知っていると役立つ情報をお伝えしたいと思います。

この記事では、処方箋や検査の指示書の有効期限と、処方された薬がフランスの公的医療保険 セキュリテ・ソシアルの還付対象になるかどうかを説明します。

医師の処方箋、指示書の有効期限

せっかく処方したもらったのに、有効期限切れで使用不可とならないように気をつけましょう。

薬の場合 

処方された日から3か月以内に薬局で薬を購入しない場合、その処方箋は無効となります。

薬でもモルヒネのような特殊な薬は3日以内に購入しないといけません。

通常1回のみの使用で、薬局は処方箋に書かれた量しか販売できません。

数回同じ薬が必要な場合は、医師がその旨を処方箋に書き加えます。

処方箋にAR( à renouveler) もしくは QSP ( Quantité Suffisante Pour) と書かれており、AR 3 fois の場合は3回同分量の薬を購入、QSP 6 mois の場合は6か月同分量の薬を購入できることになり、その処方箋は再使用可能です。

薬局が1度に販売できる薬の量は、通常1か月分です。

処方した日から1年を超えると処方箋は無効になるので、ご注意ください。

レントゲンや血液検査の場合

指示書の日から1年有効です。

時に医師が1年後に検査というように書く時がありますが、その場合は指示書の日から1年後に検査をすることになります。

いづれにしても1年を超えたら無効となりますので、注意して下さい。

眼鏡の場合

16歳以下の子供は、指示書の日から1年、16歳以上42歳以下までは5年、42歳以上は3年有効です。

ただし再購入の場合は、16歳以上の場合は2年に1回、6歳以上16歳以下の場合は1年毎、6歳以下の場合は半年に1回の条件で給付対象となります。

薬の保険還付対象確認方法

セキュリテ・ソシアルと呼ばれる国の医療保険赤字対策もあり、最近では一部 血圧降下薬も還付対象外となっています。

皮膚科で処方されるクリームなどは、スキンケアのコスメ用品に入るものもあり、処方箋があっても保険還付対象外となっているものがたくさんあります。

そのようなものは販売価格が自由なため、薬以外にparapharmacie(パラファーマシー)と呼ばれるコスメ用品も販売している、安い薬局で購入すれば自己負担が少なくなります。

パリで知られている安いコスメ用品の薬局が、サンジェルマン・デ・プレにあります。

Citypharma : 26 Rue du Four, 75006 Paris 地下鉄 Mabillon もしくは Saint -Germain-des-prés

処方された薬が保険の還付対象かを調べるには、VIDALと呼ばれる薬のサイトが便利です。

以下どうやってVIDALで調べるのかを説明します。

薬の還付対象の調べ方

上記VIDALの薬のサイトから、処方された薬名を記入し、Rechercher ( 検索 )をクリックすると薬の情報が出てきます。

例えば以下のようなカルシウム・ビタミンDなどのサプリメントも容量によっては、処方箋がないと購入できず、そのようなビタミン剤は多くの場合、セキュリテ・ソシアルの還付対象となっています。

Remboursable à 65 % と書いてあれば、市販価格 5,85 € の薬が国の医療保険セキュリテ・ソシアルで65%給付されることになります。残り35%は任意保険ミチュエルに還付請求します。

Sur ordonnance ( Lister I) と書かれている場合は、処方箋がないと購入できないという意味です。

処方箋なしで購入できて、セキュリテ・ソシアルの還付対象となる薬の場合もありますが(例えば解熱鎮痛剤 Doliprane) 、還付請求するには医師の処方箋が必要です。

最後に

規則を知っていると、便利ですね。

皮膚科で処方される外用薬などは、還付対象外のものも沢山あります。

薬の自己負担を避けるためにも処方された時、医師に保険の還付対象となるかどうか、事前に聞いておくのも良いのではないでしょうか。

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診察時にお役に立てれば幸いです。

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