フランスで働く: 仕事の探し方と労働環境を実体験から解説

フランスで生活したいけれど、仕事を見つけるのは簡単?
フランス語はどのくらいできればいいの?

このような質問にお答えします。

私はパリのフランス企業で、フランス人や世界の顧客相手に長年仕事をしていましたが、生まれも育ちも日本です。

私の経験を通じて、フランスでの仕事の探し方や、労働環境などをお伝えできればと思います。お役に立てれば幸いです。

フランスで就職・仕事の探し方 

今はインターネットのおかげで、日本に居てもフランスの求人情報を調べられるようになりました。

求人分野の知識がなく、フランス語がビジネスレベルでない場合は、日本人を募集している求人サイトから探すのがベストです。

日本人向け求人日本語サイト

OVNI

フランス人にも知られている日仏情報誌として有名です。フランス企業もこのサイトに求人広告を出しているので、求人情報が一番多いと思います。

発行は月1度ですが、求人情報は、ネット上でも公開されているため、毎日アップデートされています。

MixB

パリやパリ近郊の求人が多いですが、他エリアも選べます。

在仏日本人会

アノンス」のページから「求人」をクリックします。

日本人会には、個人会員の他、法人会員も多く、日系企業での求人情報が見つかりやすいです。

JIMOMO Paris

世界日本人コミュニティーのサイトで、フランスにはパリとニースのサイトがあります。 パリでの求人サイトです。

JIMOMO Nice

JIMOMO ニースでの求人サイトです。パリの方が求人は多いです。

在仏日本商工会議所

商工会議所に登録されている企業の求人情報です。数は少ないです。

日本人向け求人フランス語サイト

Indeed

日本でも知られている求人サイトです。サイトに職種場所を入力してからリサーチしますが、職種に日本人と入力すると、日本人を募集している職種を探すことができます。

日本人を求めているので、ホテル、飲食関係が多いです。

MONSTER

使い方は、Indeed と同様です。

France Travail

フランスの失業者が登録されているフランス政府機関のサイトで、上記サイトと同様、 職種場所を入力してからリサーチします。

張り紙を見る

飲食店などに、店員募集の張り紙をしている場合があります。

興味がある場合は、履歴書を持って行き、直接話してみるといいと思います。

フランス人が経営する飲食店の場合は、殆どがフランス人のため、日常会話ができるフランス語力が必要です。

人脈を利用する

友人の勤めている会社や、知り合いの会社で募集があるかもしれません。

会社側も、人材派遣会社に頼む場合は手数料がかかるので、探している場合は、社員に適切な人がいないか聞く場合があります。

SNSなどを通じて、探す方法もありますね。

人材紹介会社に登録

人材紹介会社で、海外の求人案件を見つける方法もあります。

Centre People

イギリスに拠点がある人材派遣会社ですが、勤務地でフランスも選べます。

登録をしておけば、案件があれば連絡してくれます。

Recruit Europe

上記同様、イギリスに拠点がある人材派遣会社ですが、フランスの案件もあります。

JAC Recruitment

日本に拠点がある人材派遣会社ですが、海外の求人案件も取り扱っています。会員登録をして、勤務したい国名をフランスで選びます。

希望の職種が見つかれば、履歴書作成などのサポートも受けられます。

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語学力

フランスで仕事をするためには、日常会話に支障がない語学力が必要となってきます。

仕事にもよりますが、飲食関係なら、フランス人客の注文が理解できる初級から中級の語学力で十分ですが、高級店やホテルなどでは、失礼にならない敬語表現のできる中級以上のフランス語の他、外国人観光客に対応できる英語力も必要となってきます。

会社勤務の場合は、職種と日本企業で働くか、フランス企業で働くかによっても変わってきます。

日本企業の場合は、経営者が日本人のため、日本語のできないフランス人スタッフとのコミュニケーションや、日本人以外の電話やメールでのやり取りを除き、日本語を使う機会が多くなるため、中級レベルのフランス語で問題ない場合もあります。特にIT関係は、言葉よりもIT知識を問われますので、言葉のハンディキャップは少なくなります。

逆にフランス企業で働く場合は、経営者がフランス人のため、社内言語はフランス語です。

フランス企業が日本人を雇うのは、日本企業と取引があり日本人顧客がいるからですが、実際の顧客はフランス人が殆どで、さらに日本人や外国人相手となりますので、フランス人との電話やメールに支障のない、ビジネスレベルのフランス語と、他の国籍の顧客とのコミュニケーションに英語が必要となります。

パリのフランス企業で長年働いた私の経験として、このようなインターナショナルな企業は、日本人だけではなく、アメリカ人や、ヨーロッパ等多国籍の社員がいます。

フランス語を母国語としない社員がいることを企業も顧客も理解しているので、母国語レベルのフランス語力や英語力がなくても、応対に支障がなければ問題ありません。

語学力も大事ですが、正確に質問に答えられるように、仕事の知識を高めることが、仕事をする上で重要になってきます。

学歴・職歴

履歴書に書く学歴ですが、日本の学歴は重視されません。フランスで何か資格やディプロムを得た場合は、日本の学歴に加えてください。

職歴は、面接の際の判断になるほど重要視されます。同じ職種の経験が過去3年以上ある場合は優遇されます。

しかし私の会社で、過去に同じ職種の経験がない人を雇い、吸収力が早く優秀な人もいたため、経験のない場合は面接の際に、職種への興味とやる気を見せて、入社後は、家に帰っても勉強するくらいの気持ちで取り組めば大丈夫だと思います。

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フランスの労働条件・労働環境

労働許可書

フランスで働くには、労働許可書が必要です。

10年毎に更新すれば良い正規滞在許可書を取得している場合は、この滞在許可書に労働許可書が含まれているので問題ありません。

そうでない場合は、労働許可書を申請してくれる雇用主を見つける必要があります。

日本語求人サイトには、要労働許可書と書かれています。

ワーキングホリデービザや、学生でも可能な場合の求人には、学生・ワーキングホリデービザ可と書かれています。

求人情報応募の際には、この点をご確認ください。

滞在許可書もない場合は、まず労働許可書取得前に、就労ビザを取る必要があります。

このビザは通常90日以上の滞在に必要ですが、就労目的で滞在する場合は、90日以内でも必要です。

フランス入国の少なくとも3週間前に、在日フランス大使館にお問い合わせください。

雇用形態

フランスには、CDI ( Contrat du travail à Durée Indéterminée) と呼ばれる無期限雇用契約(正規社員)と、CDD ( Contrat du travail à Durée Déterminée) と呼ばれる短期雇用契約(契約社員)の2種類があります。

以前はCDDから始まり、順調にいけばCDIになる場合が殆どでしたが、最近はCDIの契約が多くなりました。

ただし、最初からCDIで雇われるのではなく、試用期間 ( Période d'essai) を通じて決定されます。この試用期間は、2ヶ月から、管理職の場合は6ヶ月で、雇用主は2度まで延長できます。この期間雇われる側も、自由に辞める権利があります。

CDDの場合、労働時間は週35時間です。CDIになると週37 時間となる代わりに、RTTと呼ばれる月に1度休暇を取る権利を得られます。

企業によっては、CDIでも週35時間、もしくは会社や職種によっては39時間のところもあります。その場合RTTはなく、35時間以上は、時間外労働として別途支払いされるケースが多いです。

福利厚生

福利厚生は会社によりますが、昼食時用の「チケットレストラン」は会社が50% - 60%の値段を負担してくれるので、勤務時の昼食用だけではなく、日曜祭日を除き、レストランやスーパーマーケットで食費の買い物にも使え便利です。

有給休暇は、週35時間労働の場合年間25日 で、正社員の場合は、週37時間労働の代わりに月1回 RTT が加わります。

有給休暇が多い分、祭日が土日の週末になる場合、日本のように振替休日はありません。

ボーナスは会社によります。

入社すると、フランスのセキュリテ・ソシアルと呼ばれる国の医療保険の他に、会社が加入している、国の医療保険でカバーしきれない医療費の自己負担を補うミュチュエルと呼ばれる任意保険に加入することができます。

病気で働けない場合も、国の医療保険と会社の保険で給料が保証されるようになっています。

給料

給料は、学歴や職歴が考慮されます。しかし日本人の場合、企業は即戦力を求めているので、職歴と語学力だと思います。

特に未経験の分野の仕事を、現地採用でする場合、給料はフランス政府の定めた最低賃金になる可能性があります。

最低賃金とはSMIC (salaire minimum de croissance)と呼ばれ、物価の上昇に合わせ調整されます。

パリのような首都は家賃も高いので、生活費がかかります。経験のある仕事の場合は、自分の価値をアピールし、給与の交渉をおすすめします。

まとめ

職種や企業によって、必要とされる語学力や条件も変わってきますが、やる気さえあれば可能です。

ただ短期滞在の学生ビザやワーホリで働くのではなく、長期に滞在しながら働く場合は、滞在許可書と労働許可書が必要となりますので、ご注意ください。

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